歯を失った方へ(欠損補綴)
- Q. どの治療法が一番長持ちしますか?
- A. 治療法そのものよりも、その後のケアで決まります。
インプラントは非常に長持ちしますが、歯周病と同じ「インプラント周囲炎」になると抜けてしまいます。ブリッジも土台の歯が虫歯になれば壊れます。
毎月のメンテナンスをしっかり受けることが、どの治療法においても寿命を延ばす唯一の秘訣です。 - Q. ブリッジにしたいのですが、健康な歯を削るのが怖いです。
- A. その不安は正しいものです。
一度削った歯は二度と元に戻りません。当院では、削る量を最小限にする工夫をしていますが、もし削ることに抵抗がある場合は、まずは入れ歯を試してみる、あるいはインプラントを検討するために専門医を紹介するといった柔軟な対応が可能です。 - Q. 昔、インプラントはできないと言われたのですが……。
- A. 技術の進歩で、可能になっている場合があります。
骨が足りないなどの理由で断られた方でも、現在は骨を増やす手術(再生療法)などが進んでいます。当院がご紹介する専門医院では、そうした難症例にも対応可能な場合がありますので、一度当院で現在の状態をチェックさせてください。 - Q. 「入れ歯」と「ブリッジ」で迷っています。どちらが歯のために良いですか?
- A. 「残っている歯を守る」という視点では、入れ歯の方が有利な場合があります。
ブリッジは、固定式で自分の歯のように噛めるのが大きなメリットですが、土台となる両隣の歯を大きく削らなければなりません。また、2本分の力を3本で支えるため、土台の歯に過度な負担がかかります。
一方で入れ歯は、取り外しの手間はありますが、歯を削る量は最小限で済みます。当院では「10年後にどれだけ自分の歯が残っているか」というシミュレーションに基づき、最適な提案をいたします。 - Q. インプラントは一生持ちますか?
- A. 適切なメンテナンスを続ければ、20年、30年と持たせることは可能です。
ただし、インプラント自体は虫歯になりませんが、周囲の歯ぐきが歯周病になる「インプラント周囲炎」というリスクがあります。これを防ぐためには、ご自宅でのケアと歯科医院での定期的なプロケアが不可欠です。
当院では、紹介先の専門医でインプラントを埋入した後も、当院での毎月のメンテナンスを通じて、その寿命を最大限に延ばすお手伝いをいたします。 - Q. 歯を失ってから数年経っていますが、今からでも間に合いますか?
- A. はい、もちろんです。今がこれからの人生で一番若い時です。
放置した期間が長いと、隣の歯が倒れてきたり、噛み合う歯が伸びてきたりして、治療が少し複雑になることはあります。しかし、そのままにすればさらに崩壊は進みます。当院では、倒れてしまった歯の調整を含めた包括的な治療計画を立てますので、諦めずにご相談ください。 - Q. 歯がないままだと認知症になりやすいというのは本当ですか?
- A. はい、医学的な研究でも報告されています。
「噛む」という動作は脳に強力な刺激を送ります。歯を失い、噛む力が低下したまま放置すると、脳への刺激が減り、認知症の発症リスクが高まると言われています。
また、噛めないことで柔らかいもの(炭水化物など)ばかり食べるようになると、栄養バランスが崩れ、全身の老化(フレイル)も加速します。早めに補綴治療を行うことは、脳と全身の若さを保つ秘訣でもあります。 - Q. インプラントを別の医院で受ける場合、通院が大変になりませんか?
- A. 手術や特殊な処置以外は、当院でしっかりサポートします。
インプラントの埋入手術などは設備が整った専門医院で行っていただきますが、それ以外の日常的なケアや、他の歯の虫歯・歯周病治療、そして全体のメンテナンスは当院で一貫して行います。
窓口を当院にまとめることで、患者さまの負担を軽減し、お口全体の健康をトータルで管理する「かかりつけ医」としての役割を私たちが担います。 - Q. 仕事が忙しく、何度も通うのが難しいです。
- A. 1回の診療時間を長く確保することで、通院回数を抑える工夫をしています。
当院は並列診療を行わず、お一人に1時間の枠を設けています。これにより、1回の受診で内容の濃い処置を行うことができ、何度も小刻みに通うストレスを軽減できます。また、成瀬駅近くで駐車場も完備しているため、お仕事帰りやお休みの日にもスムーズに通っていただけます。
放置するリスクと、あなたに最適な「噛む力」を取り戻す方法
「1本くらい歯がなくても、他の歯で噛めるから大丈夫」
「奥歯で見えないし、治療しなくても困っていない」
「どの治療法も一長一短で、選べずにそのままになっている」
もし、歯を失った場所をそのまま放置されているのであれば、歯科医師として強くお伝えしたいことがあります。
歯を失ったままにすることは、お口の中だけでなく、全身の健康を著しく損なうカウントダウンが始まっているのと同じなのです。
私は訪問歯科診療を通じて、歯を失った場所を放置したために、ドミノ倒しのように他の歯がダメになり、最終的に「食べる楽しみ」を失ってしまった方をたくさん見てきました。
そうならないために、当院では科学的な根拠に基づき、あなたのライフスタイルに寄り添った最適な「補綴(ほてつ:補う治療)」をご提案します。
歯を失ったまま放置すると起こる「悪影響」
歯を失った隙間を放置すると、お口の中では以下のような悪影響が連鎖的に起こります。
隣の歯が倒れてくる
歯には空いたスペースを埋めようとする性質があるため、両隣の歯が傾いてきます。
噛み合う歯が伸びてくる
噛み合う相手がいなくなった反対側の歯が、隙間に向かって飛び出してきます(挺出)。
噛み合わせが崩壊する
歯の並びがガタガタになり、一部の歯に過度な負担がかかって、健康だった歯まで折れたり抜けたりします。
顔立ちが老けて見える
歯を失うと顎の骨が痩せ、口元にシワができたり、頬がこけたりして、実年齢よりも老けた印象になります。
認知症や全身疾患のリスク向上
しっかり噛めないことで脳への刺激が減り、認知症のリスクが高まるほか、栄養の偏りから全身の健康に悪影響を及ぼします。
「噛む」を取り戻す3つの治療法
歯を失った部分を補う治療法には、大きく分けて「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3つがあります。
それぞれの特徴を正しく理解しましょう。
入れ歯(義歯)
入れ歯は、歯ぐきの上にプラスチックや金属の土台を乗せ、残っている歯にバネ(クラスプ)をかけて固定する取り外し式の治療法です。
保険診療では、主にプラスチック(レジン)と金銀パラジウム合金のバネで作られます。
当院では自費診療として、バネのない「ノンクラスプデンチャー」や、熱が伝わりやすい「金属床」も扱っています。
他の治療法との決定的な違いは、「後から何度でも調整・修理ができる」点です。
お身体の状態が変化したり、他の歯を万が一失ったりしても、入れ歯なら部品を追加して使い続けることが可能です。これは、将来的に介護が必要になった際などの管理のしやすさ(清掃性)において非常に大きな利点となります。
また、外科手術が難しい持病をお持ちの方や、健康な歯を削りたくない方にとっても最適な選択です。
メリット
身体への負担が少ない
外科手術が必要なく、持病(高血圧や糖尿病など)をお持ちの方でも安全に治療が可能です。
健康な歯を削る量が最小限
ブリッジのように隣の歯を大きく削る必要がありません。
修理や修正が容易
お口の状態(歯ぐきの痩せなど)が変わっても、後から材料を盛り足したり、新しい歯を追加したりといった調整が柔軟にできます。
デメリット
噛む力が低下する
天然歯の30〜40%程度の力になると言われており、硬いものを噛むのにコツが必要です。
違和感や異物感
装置が大きいため、最初は喋りにくさや、食べ物の味が感じにくいといった違和感が生じることがあります。
取り外しの手間
毎食後の洗浄や、寝る時の取り外しなど、日常的なお手入れが必要です。
ブリッジ
失った歯の両隣の歯を削って土台にし、3本分(またはそれ以上)が繋がった一体型の被せ物を接着剤で固定する治療法です。
固定式のため、取り外しの手間がありません。保険診療では金属(銀歯)や、前歯であればプラスチックを貼り付けたものになります。自費診療では、透明感が高く汚れにくいセラミックやジルコニアを選択できます。
入れ歯に比べて装置が小さいため、装着時の違和感がほとんどありません。
また、自分の歯の根っこで支えているため、噛む力は天然の歯に近く、ステーキやタコなどもしっかりと噛み切ることができます。
メリット
自分の歯に近い感覚
固定式のため、入れ歯のようなガタつきがなく、天然歯の60〜80%程度の力でしっかり噛めます。
見た目が自然
金属が見えないタイプ(セラミック等)を選べば、本物の歯と見分けがつかないほど綺麗に仕上がります。
治療期間が短い
型採りから装着まで、通常2週間程度で完了します。
デメリット
健康な歯を大きく削る
土台にするために、両隣の健康な歯を周囲一周削り落とす必要があります。
土台の歯に過度な負担
本来3本で支える力を2本で負担するため、土台の歯の寿命が短くなる(折れる、グラつく)リスクがあります。
お手入れに工夫が必要
橋の下の部分(ポンティック)に汚れが溜まりやすいため、専用の糸(スーパーフロス)などを使った高度な清掃が求められます。
インプラント
歯を失った部分の顎の骨に、人工の歯根(チタン製のネジ)を埋め込み、その上に独立した歯を作る治療法です。
骨と直接結合するため、入れ歯のように動いたり、ブリッジのように隣の歯を削ったりする必要がありません。「第2の永久歯」と呼ばれるほど、機能的にも審美的にも優れています。
他の歯に負担を肩代わりさせない唯一の治療法です。
ブリッジや入れ歯は、少なからず「残っている歯」を頼りにしますが、インプラントは自立しているため、周囲の歯をむしろ守る役割を果たします。
メリット
他の歯を一切傷つけない
最大の特徴です。隣の歯を削ることも、バネをかけることもないため、残っている歯の寿命を最も延ばせる治療法です。
天然歯とほぼ同じ噛み心地
骨と結合しているため、天然歯の90%以上の力で、何でも美味しく食べられます。
見た目が最も美しい
歯ぐきから歯が生えているような、極めて自然な再現が可能です。
デメリット
外科手術が必要
顎の骨にインプラントを埋める手術が必要です。
骨の量や全身疾患の状態によっては適応できない場合があります。
治療期間が長い
骨とインプラントが結合するのを待つため、完成までに3ヶ月〜1年程度かかることがあります。
インプラント周囲炎のリスク
天然歯の歯周病よりも進行が早い「インプラント周囲炎」になるリスクがあります。
これを防ぐには、当院での毎月の徹底したメンテナンスが不可欠です。
※インプラントは外科手術を伴い、精密な診断が必要です。
当院では患者さまの安全を最優先し、治療を希望される方には当院が信頼するトップクラスのインプラント専門医院をご紹介しています。
院長からのアドバイス:5年後、10年後を見据えて
「どの治療法を選べばいいかわからない」と立ち止まってしまうのは、あなたがご自身の健康を真剣に考えている証拠です。
入れ歯、ブリッジ、インプラント。それぞれに長所と短所がありますが、一番やってはいけないのは「何もしないこと」です。
私はこれまで、多くの患者さまの「お口の歴史」を診てきました。
インプラントが最良な方もいれば、将来的な介護や体調の変化を見越して、あえて修理が容易な入れ歯を選択した方が幸せになれるケースもあります。
大切なのは、「将来、お身体が不自由になった時にどう管理できるか」までを考えることです。
当院では、そうした長期的な視点から、あなたにとって無理のない、最善のプランを歯科医師がマンツーマンでご提示します。
よくある質問(FAQ)
